フィギュアの作り方

【フィギュアの作り方】ZBrushでつくった作品を3D出力する手順【DMM.make】

どうもこんにちは、relaxo(@relaxo_tbc)です。

・ZBrushで作品を作ったけれど出力をどうしようかな?
・家に3Dプリンターないんだけど、作品を出力してみたい!
・フィギュアの複製のために原型を綺麗に3D出力したい。

そういった方向けに、「ZBrushでの出力までの準備→STLに変換→DMM.makeに出力」のワークフローを紹介します。

ただ出力周辺の話はすぐに変更されがち……というか変化が大きい箇所なので、2020年5月現在の話となります。

relaxo
relaxo
今はこういった手順を踏んでるよ! っていう紹介です。また変更があったら書き直します~

※ZBrush2020 Win10 にて行っています。

 

 

①ZBrush(形を整える:埋めたり、くっつけたり

前田藤四郎くんを出力します。

今回は「分割ナシ」で丸々1体で出力します。

出力にあたって、

・出力に耐えられる厚さがあるか確認しておく。
・(複製の為)オ-バーハングになっている箇所を減らす。

あんまり薄いと、出力した後に割れたりします。

または入り組んだ箇所は上手く複製できないので、埋めたり&くっつけたり&簡略化したりします。

今回は全長4センチの出力なので、細かいモールドはほぼ出ないと思われたので簡略化しています。

②ZBrush(デシメーションマスターでポリゴン数を減らす

形を整えたらデシメーションをかけてポリゴン数を減らしていきます。

ZPlugin > DecimationMaster を開きます。

Pre-processCurrent を押して、選択しているサブツールのポリゴン数の事前計算を行います。

②削減する%を決める。

DecimateCurrent を押して実行させる。

D猫さん
D猫さん
パソコンの動作がおかしくなるから、デシメーションはサブツール1つずつ行うのがオススメ

削減する%は、「ものによる」というか「ポリゴン数による」ので、一概に●%がいい! とは言えませんが、私は10%から始めてメッシュの形状を見てから増減させています。

実際に見てみると、

このサブツールは、ポリゴン数が117760もあります。

デシメーションをかけて47104まで減らしました。

メッシュの形状を見て大丈夫そうなら、もっと減らした方がいいと思います。

relaxo
relaxo
なんで?
D猫さん
D猫さん
DMM.makeさんの受け付けている出力上限が100MBまでだからだよ。今回は丸々1体で出力するから、サブツール一つ一つはなるたけポリゴン数を下げています

デシメーションをかけると、ポリゴンの形が四角から三角に変更されます。そのためデシメーションは「ほぼほぼ完成」となってから行いましょう。
三角ポリゴン+低メッシュにしてからのスカルプトは少々困難です。

③ZBrush(ブーリアンメッシュ作成で一つにまとめる

まず「LiveBoolean」ボタンをオンにします。

サブツールのすべてが加算になっていることを確認します。アイコンが∞になっていたらOKです。

サブツール下にあるBoolean > MakeBooleanMesh を押します。

これで一つのメッシュに結合できるハズなのですが……

今回は出来ませんでした。

原因を探ってみると……

Render > RenderBoolean > ShowCoplanar をオンにします。

するとメッシュとメッシュが面と面で接触している部分が赤くなります。

LiveBooleanではメッシュとメッシュが面で接しているとエラーが出やすいので、接地部分を調整していきます。

防具も同じくでした。

袖を盛り上げて、接地ではなくてめり込ませていきます。

エラーが出ているところを出ないようにしてから、

一つのサブツールに纏めることができました。

④ZBrush(ダイナメッシュをかけて融合させる

ここの章は「③ZBrush(ブーリアンメッシュ作成で一つにまとめる」で上手くできていたら必要ありません。

LiveBooleanでメッシュの状態を確認する方法を紹介しています。

D猫さん
D猫さん
メッシュの真ん中に空洞があるかどうか確認する方法だよ

まず別のサブツールにPolyCubeを用意します。

目のアイコンのあるところの減算アイコン(三日月型)をクリックしてから、LiveBoolean」をオンにします。

すると減算になっているPolyCubeで上のメッシュを切断したように見せてくれます。

D猫さん
D猫さん
断面図が見えるんだ。実際には切断はしていないよ。今はそう見えるだけ

PolyCubeのサブツールを動かすことで断面図をリアルタイムで動かして見ることができます。

角度を変えて見ると、

断面図が見られます。

そして……残念なことに空洞が出来ていました。ブーリアンメッシュ作成でうまく一つになっていなかったようです。

此処からリカバリーしていきます。

Geometry > Dynamesh を開いて

・Blur :0
・Projection オン
・Resolution 状態に合わせて。あまり大きいとパソコンが落ちます。
・SubProjection :1

ダイナメッシュをかけてメッシュを一つにまとめます。

ダイナメッシュをかけた後、LiveBooleanで確認しました。空洞は消えました。

ポリゴン数が増えている可能性もありますので確認しておきましょう。もし増えていたら「②ZBrush(デシメーションマスターでポリゴン数を減らす」を行いましょう。

こういったリカバリーの場合は、

・④→②まで戻る
・④ではなくて①まで戻って、①で修正する

リカバリー方法は数パターンあります。

今から思うと①まで戻ってそこでダイナメッシュをかけて頭部と髪を一体にした方が良かったような気もします。

relaxo
relaxo
その時は思いつかなかった……

なんかドタバタしていますが、この辺りも今後自分がつまづく可能性がありますので記載しておきます(泣

スムーズに行けば、①→②→③→⑤の流れです。

⑤ZBrush(3D PRINT Hubで出力サイズを整えてからSTLにエクスポート

ZPlugin > 3D PRINT Hub を開きます。

サブツールの全長を自分で決めて出力がしたいので。

UseSize of Selected Subtool をオフにします。

これがオンになっていると、「選択しているサブツールのサイズを使う」ことになるので全長などが弄れません。

Update Size Ratios をクリックすると、現在のモデルのサイズを測定します。

すると上記のようなボックスが画面に出てきます。現在のモデルのサイズを測定した上で、インチかミリメートルの表記をどちらにするかと聞いています。

ミリメートルがいいので、右上をクリックします。

3D PRINT Hub のミリメートルのパラメーターを弄るとサイズを変更することができます。

全長4センチにしたいので今回はY(高さ)を40と入力しています。

此処まで進んだらExport STL をクリックします。

STLとは3D出力の際に用いるサイズ保存形式のことです。

⑥3D Builder(データのチェック→STLで保存

3D Builder を開きます。

Windowsにて無料で使える3Dデータのチェックをできるアプリです。

win10のパソコンに標準装備されていたり、いなかったりのアプリです。持っていない場合はMicrosoft Store にてダウンロードできます。

先ほどまで作成したモデルを読み込み、

・ファイルの単位を mm にしてから

モデルのインポートをクリックします。

インポートすると、エラーが出ましたので修復してもらいます。

右下の「1つ以上のオブジェクトの定量が正しくありません。修復するには、ここをクリックしてください」と書いてある箇所をクリックします。

データが重いとまあまあ時間が掛かります。

修復が終わったら「名前を付けて保存」をします。その際に形式を「STL」にすることを忘れないように。

D猫さん
D猫さん
一番上の保存形式がSTLじゃないから、そのままクリックするとSTLにならないよ

⑦ZBrush(3D PRINT HUBでインポートしてサイズ確認

データのチェックが終わったので、ZBrushに戻ります。

ZPlugin > 3D PRINT Hub > Import STL File をクリックして先ほどまでのデータを読み込みます。

そしてUpdate Size Ratiosを押して「長さ」を確認します。高さを40㎜にしたいので、ボックスの右上を見ると40.00となっているので、自分が欲しい全長になっていることが確認できました!

relaxo
relaxo
ここまでの道のり長すぎ……

次からは念願の3D出力です。

⑧DMM.make(3D出力の依頼

出力するデータが出来たのでDMM.makeのホームページに行きます。

DMM.makeホームページ

※すでに会員登録をしてログインを済ませています。

「3Dデータをアップロード」をクリック。

アップロードが完了しました。

データのチェックをDMM.make側が行うまで暫し待ちます。この時は10分もしないうちにデータのチェックが完了しました。

データのチェックが終わったものは「マイページ」「マイ3Dデータ」で確認ができます。

「注文に進む」をクリックします。

するとボックスが出てきました。「フィギュア」を選択します。

フィギュアの複製原型にするつもりなので、

アクリル(UltraMode)を選択します。

色はナチュラルにしました。

選択がし終わるとショッピングカートになります。

この時に、「サイズ」「選択した素材」「値段」に間違いがなければ、「注文する」をクリックします。

バスケットに行き、「購入手続きに進む」をクリックして、氏名住所支払い方法などを入力したら完了です!

relaxo
relaxo
早ければ4日くらいで来るよ。大体1週間くらいで来ると思っておけばOK

 

今回使用したアクリル(UltraMode)の製造は2020年度中に終了になります。その代わりに上位互換のアクリル素材が使えるようになるとのことです!

relaxo
relaxo
やったーやったー!

もっとよくなる(であろう)DMM.make様のアクリル素材を刮目して待ちたいと思います!!

そして……

届きました!(はやっ

いつもながら見事なクオリティです。月曜深夜に出力依頼をして木曜には到着しています……早い! うまい! 安い! なDMM.make様に大感謝です!

故・のぶほっぷ先生の動画を参考にしました。

先生の書籍、動画にて学ばせていただいており、とても感謝しております。心からお悔やみ申し上げます。